神経ホルモンの減少が認知症を起こす

神経ホルモンの減少が認知症を起こす

20歳頃から脳の神経細胞は減っていくといわれます。しかしそれに比例して認知機能が低下していくわけではありません。各々の神経細胞は情報をやり取りして認知機能を保ちます。神経細胞が情報をやり取りする際の出入り口にあたるのが、シナプスです。出入り口(シナプス)からどんどん情報が出し入れされれば、認知機能は保たれます。

シナプスは年を取っても、努力すると増やすことが出来ます。大体、60歳くらいまでは増えていきます。従って、認知症は中年期には滅多に起こりません。しかしそれからが問題です。70歳頃になると、シナプスも減っていきます。情報の出し入れが出来なくなっていくのです。物忘れが出てきたら、シナプスを増やす努力をしなければなりません。そのためには、仕事、趣味、脳トレなどをがんばることです。

認知機能とは、情報がいかに脳内を飛び回るかで決まります。情報を作って飛ばし合うのが神経細胞、情報の出入り口がシナプス、情報の役割を果たすのが神経ホルモンです。神経細胞が減っていくのをシナプスの増加で情報(神経ホルモン)をなんとか飛ばしているのですが、70歳頃を過ぎると神経細胞、シナプスともに枯渇していきます。そうすると脳内に情報(神経ホルモン)が行き渡らなくなり、認知症が起こるのです。認知症は神経ホルモンの不足による現象なのです。

神経ホルモンにはアセチルコリン(記憶)、セロトニン(情緒)、ドパミン(意欲)、ノルアドレナリン(集中力)など数十種類あります。認知症の程度や種類は神経ホルモンの減少により決まります。アルツハイマー病ではアセチルコリンの減少が有名で、物忘れがひどくなっていきます。認知症の治療薬も主にアセチルコリンを補充するものです。

神経ホルモンの補充を薬に頼らず、日常の努力で補うことが大切です。神経ホルモンを増やすには、十分に蛋白質を取ることの他に、暇を作らず頭を使うのが大切です。仕事、趣味、脳トレなどで頭を使いましょう。

あなたの頭の中の神経ホルモンは足りていますか?

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