クリニックテルミナのコラム

自律神経失調症を正しく理解しよう

「自律神経失調症」という病名が氾濫しています。もともと自律神経失調症は精神の病気として扱われてきました。ストレスがあり、動悸がする、ふらつく、疲れる、頭痛がするなどの身体症状があれば、「おそらく自律神経失調症だろう」と診断されてしまいがちなのです。果たしてこれらの患者さんがすべて本当に自律神経失調症なのでしょうか?

そもそもストレスがあり緊張すると、心臓がドキドキしたり、筋肉が固まってふらつくようなことはよくあります。自律神経が悪くなくても起こりうる症状なのです。患者さんも「自律神経失調症」と言われると、何となく納得してしまう節があります。しかし実際に自律神経がやられているかどうかで、治療方針は大きく変わります。

自律神経は内臓を動かす神経です。ということは、自律神経が失調すると内臓に障害が起こる危険も出てきます。ただ単にストレスだけで自律神経が問題なければ、心のケアのみで回復するでしょう。しかし自律神経までやられていたら、内臓のケアまで行わなければなりません。これは内科の仕事といえます。「自律神経失調症」という状態は”内臓病の手前”と自覚しなければなりません。自律神経失調症の症状は「内臓疲労症状」なのです。

このように我々は(医者も含めて)、自律神経失調症をはっきり理解していないのではないかと考えます。自律神経失調症とは以下のようなものです。

❶ストレス、夜型(不規則)生活、運動不足、過重労働など誘因がある
❷内臓疲労症状を認める
・動悸 ・フラツキ ・発汗 ・不眠 ・倦怠感 ・頭痛  ・血圧上昇(変動)
・便通異常  ・その他
❸自律神経検査で異常がある

以上の3つを満たしてはじめて「自律神経失調症」と診断できるのです。
我々のクリニックでは、心拍変動パワースペクトル解析で自律神経検査をしています。
ご理解していただけたでしょうか?
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