自律神経失調を改善することは、すべての内臓の働きを整えることにつながります。すでに自律神経失調症として内臓のどれかが不調であれば、急いで自律神経を修復する必要があります。内臓病を予防しなければなりません。ここで一番難問なのが、自律神経そのものを修復することです。”傷ついた電線”はそう簡単には元に戻れないのです。自律神経失調症の原因は何らかのストレスですから、ストレスを減らすのが第一ですし、そのために色々な療法が勧められています。しかしストレスで傷ついた自律神経を修復するのは、ストレス対策だけでは不十分といえます。
私が思うに、自律神経を良い方向に調整するためには、「メリハリ」が大切です。「メリ: 減り」と「ハリ: 張り」のメリハリをつけるのです。 自律神経の活動は交感神経と副交感神経神経が適切に働くことなので、「メリ」で副交感神経を元気にする、「ハリ」で交感神経を元気にする、という基本姿勢を心がけて下さい。どちらかといえば「メリ」を重視すべきですが、だからといってダラダラしてばかりではいけません。のんびり休んで(「メリ」)、しっかり行う(「ハリ」)というスイッチの切り替えが大切です。「メリ」とは減らすこと、すなわちスローライフです。休む時は休む、時間に追われない、立ち止まるといった生活態度を指します。仕事や義務からしっかり離れるのです。「ハリ」とは張りのある生活ことです。単にダラダラ休んでいるだけでは自律神経は良くなりません。しっかり食べて(素材に気をつける、時間をかける)、しっかり休んで(十分に眠る、余暇は仕事しない)、しっかり生活して(規則的な起床・就寝、入浴)、しっかり楽しむ(散歩、旅行、趣味)といった生活の張りも必要です。
自律神経失調症ではやはり副交感神経の低下が重篤な疾患を招きます。かといって副交感神経ばかりを元気にしようと、「メリ」の治療ばかりに集中していては、なかなか副交感神経は良くならないこともあります。従来の自律神経失調症の治療法が上手くいかない理由もそこにあります。
そこでお勧めしたいのが新しく開発した
「ペイン&リリース療法(Pain&Release Therapy); PRT」
です。従来の鍼灸などもPRTと同様な効果を狙った療法といえます。簡単に言うと、自律神経という電線に強い刺激(ペイン)を加えた後、その刺激から解放して(リリース)、その落差で自律神経、特に副交感神経を修復していくのです。PRTも体に「メリハリ」を覚えさせる治療法です。詳しくは次回、説明します。
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